はじめに
「両肩を結んだラインと両腕でできる三角形を崩さないように、あるいはしっかり意識しながらスイングする」と、レッスンの現場でもよく言われます。この三角形は基本的にはパワーの源となるもので、非常に大切なものです。
やや理屈的な話に近いかもしれませんが、これもどのスイングモデルも共通の話になりますので、理解をしておきたいことになります。
両肩を結んだラインと両腕でできる三角形
クラブを握ると『両肩を結んだライン』と『右腕』と『左腕』によって三角形ができあがります。左腕は基本しっかり伸びていること。そして右腕は、右肘の曲げ伸ばしによって伸びたり縮んだりします。
※三角形を崩さないと言っても、スイング中ずっと二等辺三角形が崩れないわけではありません。
テイクバックで(体も動きますのでイメージしづらいですが)、左腕は基本伸びている状態をキープします。そしておおよそ、肩のラインと左腕が45度以内になってくるあたりから、右肘が徐々に曲がってきます。
ダウンスイングからインパクトに至っても引き続き左腕は伸びています。
右腕は、ダウンスイングに入るとインパクトに向かって徐々に伸ばされていきますが、インパクト時でも少しだけ右肘が曲がった状態です。
フォローでやっと右腕が伸びてきてリリースが完了します。フィニッシュにかけては左腕が曲がっても問題ありません。
左腕を伸ばす意識
この三角形は、基本的には崩れないようにスイングするのですが、左腕を伸ばしている動作というのは大切です。
(厳密には左腕を伸ばしているというか、スイングで描かれる円の外側へテンションがかかるような状態かもしれません。遠心力がかかるので何もしなければ左腕は伸びてしまう方向になるのですが…。)
もし左肘が曲がってしまった場合、三角形が崩れるために振り遅れたり、あるいは体が全然動かずに腕だけで打っているような状態になったりします。俗に言う体の正面から腕が外れてしまうような状態で、一体感が無い状態です。
これでは理想的なインパクトをするのは難しくなってしまいます。
※体と腕が完全に同期するわけではなくラグは発生しますが、一体感は必要になります。
パワーの源
この三角形は主にパワーの源となります。
体をしっかりまわして、左腕で引っ張り遠心力を最大に使うため(参照:スイングの力は主に遠心力)、そして、コックとアンコック、ターンとロールの力(参照:左手のコックとアンコック、左腕のターンとロールの力)などを正しく使うための基礎的な原理となります。
例えばですが、この三角形が潰れ過ぎないようにスイングするコツとしては、しっかり腕を振ることです。リリースをちゃんとしなければなりません。体の回転に任せてでんでん太鼓のように腕の力を全く入れずにスイングしてしまうと十中八九振り遅れてしまいますので注意が必要です。
振り遅れ気味の人やボールが捕まらない人は、少し腕をしっかり振って、この三角形を意識してみると良いかもしれません。