この記事の要約
・人間は脳からの指令で体(筋肉)を動かしています。
・運動動作(スイング)を習得するには、まずは脳に覚えさせ、脳で理解し、その後体を実際に動かして、脳と体の感覚を結びつけて習得していきます。
・ゴルフのスイングは手の動き、腕の動き、体の動きの順番で習得していくと良いです。
・理想的なスイングとは人それぞれです。『その人にとって再現性が高く一番効率の良い最高のスイング』(2024年9月19日追記分)
・最終的には無意識に何も考えずスイングという動作ができるようになることがゴールです。
はじめに
ゴルフスイングを習得するのには理にかなった順番があります。
これは人の脳の構造から導き出せるのですが、基本的に運動の動作は、脳からの指令で全て動いているという実験結果が出ているようです。
※このあたりは様々な参考文章がネットで見れますので興味ある方は探してみてください。
で、これはどういうことかと言うと、例えば『まず最初にどこかしらの筋肉が動いたとして、その後、脳を経由せずに連鎖して違う筋肉が動く』というようなことは無く、一見連動しているように見える動きでも、必ず脳からいちいち指令が行っています。脳はそれぞれを別の動きとして指令を出しているということです。
ということは、脳からの指令のない状態で身勝手の極意のように体(筋肉)が勝手に動くことは無く、そして体(筋肉)には記憶装置が無いので体(筋肉)単体で動作を記憶する、つまり体で覚える、というようなこともできません。必ず脳からの指令とセットになっているということです。記憶は脳で行います。
でも「何も意識しなくても体って勝手に動くわよね〜」とか言うかもしれませんが、これは脳から無意識に指令を出しているという状態になります。
スイング動作を習得するには?
スイングという“動作”を習得する(覚える)には、体を動かす指令を与える脳にまず覚えさせます(頭で動きを理解します)。この時、大人は神経系が発達していますため、脳がその動きに納得できないと新たな動きを行うことがなかなかできません。では、脳を納得させるためにはどうするかということですが、これはある程度の理論や理屈を理解するという形になるかと思います。そうすることでその練習を信じることができるので、自信を持って取り組めることで効率が良くなりますので習得のスピードが早くなります。
(勉強しなくても言われた通り動きだけやれば良いのですが、その練習を理解していないと「なぜこの動きやるの?わからんけどとりあえず」という微妙に疑問な部分や、何のために何をしているのかわからなくなってしまったりします。とは言え、しつこく練習していればそのうち覚えるので習得は可能ですが、効率が悪いので習得のスピードが遅くなります。)
知識的なインプットをして脳が納得したら、次は動きを体で作っていきます。この時大切なことは、最初はゆっくりとその動作を確認しながら確実に行うことです。ゆっくりやることで、その動作の感覚と脳が結びつき、そしてだんだん運動のスピードが増していきます。というか、スピードが早くなっても正確に動けるようになり、最後は無意識的にその動作ができるようになります。
※興味のある人は、「運動学習法」を調べてみてください。
手の動きからやるの?体の動きからやるの?
推奨される順番は、手の動き、腕の動き、体の動きの順番で習得していきます。最初は手の動きを徹底的にやります。ゴルフは手の動きがとても大切です。身体の中で一番器用な手の動きを先に習得します。
大雑把に言うと、手の動きはボールコントロール、腕の動きはパワー、体幹はバランスとなりますが、腕や体を正しく機能させるために、手の動きがちゃんとできている必要があります。
理想的なスイングとは何?(2024年9月19日追記)
人は、身長も違えば年齢、筋力、柔軟性、バランス、骨格…などなど、誰一人として同じ身体の人はいません。同じ人がいないので、スイングも人それぞれになります。ですので理想的なスイングとは、『その人にとって再現性が高く一番効率の良い最高のスイング』ということになります。人それぞれ目指すべきものは変わるということですね。
最終的には?
ゴルフスイングで最終的に目指す所は『(クラブを)上げて下すだけで勝手にボールに当たって飛んでく』というくらい、無意識にスイング動作ができるようになることです。
ということで、スイングを習得するためのアウトラインとしてはこんな感じになります。これらのことを意識して普段から練習をしますと、効率よくスイングが習得できるかと思います。